成年後見制度について
成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症などによって日々の暮らしや財産管理における判断能力が不十分とされる人を本人にかわって配偶者や家族、親族また弁護士や司法書士、福祉の専門家などの「後見人」がサポートする制度です。
また、後見人になる人としては、配偶者や家族、親族また弁護士や司法書士、福祉の専門家などが一般的とされ、さらに家庭裁判所によって相応しいとされた人が選任されます。
< 成年後見制度には2種類 >
● 任意後見制度
認知症になる前に本人の意思で後見人に任せることを決め、自身が事前に申し立てを行う
● 法定後見制度
既に認知症の症状があり本人の意思で後見人に任せることを決めることができず、本人以外の誰かが申し立てを行う
上記2種類の後見制度を利用する場合、自分の意志があるうちに自分の老後生活の希望をしっかり考える、また自分にとって最善と思う後見人を選び要望を伝えることができる「任意後見制度」を利用することが望ましいと言えます。 また、後見制度を必要とする理由としては、正式な手続きを行わずにすれば、後々のトラブルの原因にもなりかねないためです。
後見開始までの手続き・流れ
< 任意後見制度(本人申し立て)の手続き詳細 >
① 認知症の症状なし
認知症の症状が見られない場合は、「任意後見制度」が適用され、本人で申し立てを行う事ができます。
② 契約の準備を行う
任意見人を選び、代理権を決める戸籍謄本などの書類を用意します。
③ 任意後見契約
公証役場で公正証書によって契約をします。
④ 認知症の症状が認められる
認知症の症状が認められた場合、本人、親族、任意後見人、市町村長などの判断で申立準備を行います。
⑤ 後見監督人の申し立て
家庭裁判所に申し立てることで、担当者によって調査されます。
⑤ 任意後見人が選任(後見開始)
家庭裁判所での調査後に本人と任意後見人に通知が届き、後見制度が開始されます。
任意後見人を選ぶ3つポイント
- 本人よりも年齢が若く健康であること
- 時間的にも精神的にも本人のことを気に掛ける余裕があること。
- 経済的にも不安がなく安定していること。
< 法定後見制度(本人以外の誰かが申し立て)の種類は3タイプ >
法定後見制度は、認知症の進行程度に応じて補助型、保佐型、後見型と3タイプに区分されます。
認知の程度が軽度のものより順番に
● 補助型
比較的判断力は残っているが不安がある状態(代理権はなく家族が認めたまた本人の判断が尊重される、同意権のみ)
● 保佐型
判断力が弱っており、日常の買い物などはできるが、財産管理などに不安がある状態。
家庭裁判所が定めた法律行為に関して保佐人の同意なしで行えない。代理権が付与されるのは本人が必要だと認めたことに関してのみ。
● 後見型
判断力が著しく弱っており、日常生活にも不都合がある場合 本人の同意も必要なく、後見人は本人に代わって法律行為を代行することが可能。
※成年後見制度は「財産保護」が目的のため、法定後見制度でも「補助型」「保佐型」の場合は、あくまでも本人の意思を尊重するものであり、本人の同意なしに財産などを勝手に動かすことはできません。
「家族信託®」の利用をお勧めします。