相続のしくみ
人が亡くなると残った財産はどうなるのか
人は死亡するとどうなるのでしょう。一般的には「あの世」へ行くとされています。 「あの世」が本当にあるかどうか定かではありませんが、仮にあるとしても「この世」でどんなに大切にしていた物であっても、一緒に持って行くことだけはできません。 では、あなたが今大切にしているあなたの財産があなたの死後どうなるか考えたことはおありでしょうか?
この問題は「民法」によって段階的に解決されることになります。
「法定相続人全員の共有」(民法900条)
遺言がない場合は法定相続人の全員が法定相続分で共有するとしています。 「法定相続分で共有」とは「個々の財産それぞれが相続人みんなの物」という意味です。
「法定相続人全員で分割方法を決めればその内容」
(民法909条)
STEP2のように「相続人みんなの物」という状態ではとても使い勝手が悪いので、「預金は母」「土地は長男」「株は長女」というふうにみんなで遺産をどう分割するか話し合って決めたらその通りにしましょう、ということです。
相続手続きは民法の定めるステップの順に難易度が増していきます。
難易度が増していくにもかかわらず、現在、遺産の相続の承継について、恐らく、もっとも多いのはSTEP3の遺産分割協議によるものでしょう。 遺産分割協議がなぜ相続手続きの難易度を増すのかと言えば、「法定相続人全員の一致・協力」がいるからに他なりません。 相続人の中に一人でも協議に参加しない(できない)人、反対の人がいれば、全てが前に進みません。こうなると「相続トラブル」です。
遺言をお勧めする理由
- 「相続トラブル」の可能性のあるSTEP3に行く前に、STEP1で決着をつけられる
- STEP3は相続人の意思ですが、STEP1はあなたの意思で遺産の振り分けが決められる
- 遺産の名義替えなどの手続きにかかる手間、 費用、労力が少なくてすむ(ことが多いです)